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執筆者の写真Bicicletta Buna

お客さんが教えてくれる事

更新日:2023年12月11日


ALLーCITY。2024年で残念ながらブランドは終了してしまうそうです。


金属フレーム中心のラインアップが何とも魅力的なブランドです。トラディショナルな素材を使いながらも、新しい感じです。


個性的のペイントのバイク。


長らく自転車の仕事に携わっていますが、未だに知らないことだらけ。

機材は日進月歩ですし、自転車と一口に言ってもジャンルはとても多い。

このバイクにしてもそう。前職は某北米ブランド直営店、その前が某イタリアパーツメーカーサービスセンター、その前がスポーツバイクのプロショップ。

でも、ALL-CITYに触れることは1度もありませんでした。

まだまだ、知らないことだらけ。


そんな折、この塗装治せる? ?というご依頼が来ました。


これは、手ごわいぞ、、、このツブツブ、どうやって再現したら良いのだろう??





トップチューブを何かにぶつけてしまい、へこんで塗装がバリっと割れています。

凹みを直すことは出来そうですが、この色をどう再現するか。

難しそうですが、自身の経験と照らし合わせた結果、100%無理ではないな、と思えたので、やらせてください!とお預かりしました。

ということで、作業開始です。

表面をヤスリ掛け、脱脂をしてパテ盛り。

この作業が終わるまでの間に、塗装をどうするか検討です。


ふと作業場を見渡すと、丁度良い練習台発見💡

偶然にも、パーツクリーナーの缶が、ALL-CITYの色にそっくり!

黄緑をどうするか色々試したり、ドットもエアブラシを粗目に吹いたり、手で打ってみたり。


最終的に、ドット模様は細筆に塗料を含ませて、トントントン・・・と指で叩いて塗料を落としてみると、なかなかいい感じに!

よし、これで行こう。


塗装の方針が決まったので、傷の修正に集中


そして、この黄緑色。この色もなかなか市販の塗料でない色なので、困りました


なるべく近い色に近づけます。完全には調合出来ないと思ったので、なるべく緑色を近い所まで持って行き、最後クリアーイエローを吹いて黄緑を調整しました。


見た感じは、良さそう


そして、ドット打ちです。一応、ベースの緑までの塗装は終わらせましたが、このドット打ちを失敗したら最初からやり直しなので、まず練習。塗装予定箇所にサランラップを巻いて

筆をトントントンと。塗料の濃さもここで調整。


お、いけそう!?

調子に乗るとドットが大きくなります。何度か実施して、行けそうな感じになったので、いざ本番




こんな感じでドット打ち完了。オリジナルより若干多めのドットになりましたが、周りとのバランスは悪くはなさそう。


この後、強い塗装面になる2液ウレタン塗料を塗布。


完成です。






若干、緑の発色が黄色っぽく出ましたが、ドットによってカモフラージュさせる、という作戦を使いました。

プロの塗装屋さんならば一発できっちりと合わせられるのでしょうが、私にとってまだまだ課題です。でも、今回、この補修に挑戦させてくれたお客さんに感謝です。


日々これ勉強。

長年、いわゆる自転車のプロショップという自転車専門店で働いて来ましたが、若い頃は、経験、知識を得れば得るほど、自分より知識のない人に無意識にマウントをとってしまう事が多かった気がします。

でも、自分がそうされたら、あまり良い気はしないですよね。

なので、私からお客さんに教えてあげられる事があっても上からではなく、同じ視点で接するように気をつけています。


逆に、私が知らない事をお客さんが知ってるケースも沢山あり、教えてもらう事も沢山あります。

そして、お客さんからの注文を受け、解決していく事で自分の技術も向上します。

お客さんがいるからこそ、自分自身も成長出来るんですよね。それを忘れてはいけない、と、ある時気付きました。

それからは、お客さんが来店する度、毎日が発見の連続となりました。

まだまだ、知識と技術を向上させるために頑張ります。



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