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執筆者の写真Bicicletta Buna

T800との邂逅

更新日:3月24日


ターミネーターのお話し、ではありません(笑)


ゴルフクラブで有名なグラファイトデザイン。

以前、自転車のフレームも手掛けていたのを、ご存知ですか?

ゴルフクラブ制作のノウハウを生かした、しなるフレームが特徴のブランドでした。

かつてはEQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン(イーキューエー・めいたんほんぽ・グラファイトデザイン)という、あの新城幸也選手を輩出したチームで使われていた事もあるメーカーです。

このT800、2013年のモデルで、受注生産により100台しか生産されなかった貴重なフレーム。

日本国旗をモチーフにした赤い日の丸印とフロントフォークに描かれた「Japan Pride」という文字に、グラファイトデザインの熱い思いを感じます。


シマノクランクの点検ついでに、ホイールのメンテナンス、バランス取り、あとシートクランプ部にできていたクラックの処置、という内容でお預かりしました。


シマノクランクは、点検したところ問題なし。

続いてホイールのメンテナンスへ


スコープという、オランダの気鋭のブランド。


オリジナルのハブ。



洗浄して、新しいグリスを塗布し直して組み付け完了。


そして、ホイールバランス取り前


ホイールバランス取り後

前後で20gくらい、ウエイトを付けさせてもらいましたが、振動も無くなりました。路面に吸い付くように走る事でしょう!


今回、ホイールのメンテナンスとクランクの点検でお預かりする予定でしたが、パッと、シートクランプ部にクラックが入っているのが目に入ってしまい💦

さてどうしたものか、と思ってしまいました。

うーむ。


なかなかの線が、、、



ダブルタイプのクランプなので、フレームに割がなくても締められるはずですが、クランプに9N/mの記載があるので、それを信じて締め付けちゃったのかな、と思います。

元々の純正のクランプではなく、他社製品に交換されていてたのですが、そのクランプの最大トルク、という所が落とし穴だったように思います。

書かれている以上、9N/mで締めたくなりますよね。

これ以上クラックが進行するのも気持ち悪いので、お客さんの許可をもらって、割を作ってクラックが大きくならないよう加工する事にしました。

地道に、ヤスリでギコギコギコ、、、と削って


割完成





ハンドル、ピラーといった固定には最強レベルと思うモトレックス のカーボンペーストを使用して固定。9N/mまでトルクを上げなくても十分に固定する事が出来ました。これで、フレームのクラック問題も解決出来ました。


完成





実はこのT800、今もお店を利用して頂いている前オーナー様が、前のショップ時代に購入されたもので、当時私がメンテナンスを担当していた車体でした。

現オーナー様は、前のショップ時代、そのお客さんと一緒に走っていた方の、息子さん。

彼に譲ったのがこのバイクです。

オーナーは変わりましたが、実に7年振りに、再びこのバイクのメンテナンスを手がける事になるとは思いもしなかったので、懐かしく、何だか嬉しくなりました。

しっかり作られたカーボンフレームであれば、寿命はかなり長いという事が最近になってより良くわかります。

カーボンフレームが出た当時、は数年でへたる、なんて話もありましたが、カーボンフレームが主流となった2000年台序盤に作られたフレームが、もちろん全てではありませんが未だに結構な数存在しているのがその証明となっています。


T800は、カーボン素材を知り尽くしたブランドが作ったフレームです。品質は確かでしょう。

という事は、まだまだ、乗れますよ!

どうぞこの先も大事に乗り続けてください(^^)


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